こんにちは!自炊コーチの藤本裕子です。
「わたしを取り戻し、わたしを生きる」ための
自炊をお伝えしています。
料理教室で
「自分が作った料理は美味しくない」と
おっしゃる方は多いです。
それは、意外にも初心者ではありません。
むしろ、結婚していたり、子育てをしていたり、
日頃から、誰かのためにごはんを作っている方に
多いお悩みだと感じます。
自分の作った料理は美味しくないから
(自分は料理が下手、苦手だから)
もっと美味しく作れるようになりたい
もっと喜んでもらえるようになりたい
そう思って料理教室に来てくださいます。
その気持ちはすばらしい。
だから、その向上心に応えたい、と心底思います。

料理が美味しくない理由は
ざっくり以下の3パターンに分類できます。
①技術の問題
(焼く、揚げる、煮るなどの技術が未熟、
適切な道具を選択していない、
タイミングを見計らったり
同時進行して仕上げるのが苦手 など)
②知識の問題
(食材の食べ頃や保存方法を知らない、
食材や調味料の組み合わせ方で
どんな味が出せるのかわからない
栄養価など数値を気にしている など)
③気持ちの問題
(料理を作るのがストレスになっている、
仕事の延長、義務のように感じる
なんで私が?とか
どうしてこんなことを?と思う など)
ほとんどの方は①②を解決したくて
(そうすれば美味しいごはんが作れると思って)
料理教室にいらっしゃいます。
もちろん、料理教室で作り方を見て、体験して、
技術を得ることはできるし、
野菜の旬や栄養価の話を聞いて、
知識を増やしていくことは上達につながります。
実際、1回のレッスンであっても
調味料の選び方が変わったり、
料理の工程を簡素化できたり、
「こんな簡単でいいんだとびっくりしました」
「もっとおおらかでいいのだと思いました」
「ラクに取り組めるようになりました」
と変化していかれる方は少なくありません。

だけど、私が
本当に向き合ってほしいのは③気持ちの問題です。
ここを見ない限り、①と②をいくら積み重ねても
なぜなら、
「自分が作った料理は美味しくない」の奥には
自分の生み出すものに自信がもてない
自己評価の低さと
誰か(たぶん家族)が何気に発している
否定的な言葉にふりまわされてしまう
他者基準があると感じるからです。
学校や会社では
それがよいか悪いかは別にして
いつも第三者が評価をしてくれます。
あなたはここが優れている、
あなたのここはもう少しがんばってね、と
フィードバックがあります。
だけど、家庭の中にそんな制度はないから、
自分で自分を評価する
自分で自分の基準を決める必要がでてきます。
まじめな人ほど、それが苦手で、
何かと比べることで安心したり、
誰かに基準を決めてもらいたいと
無意識に感じている。
自分のやり方よりも
世間の正解を探してしまう心理が
あるのではないでしょうか。

美味しいの基準はとても主観的です。
レシピ通りに作っても美味しくないのは
あなたの美味しいと
レシピの作者の美味しいが違うから。
自分は美味しいと思ったのに
家族からの評価がよくないのも
あなたの美味しいと家族の美味しいが違うから。
この前提の上でお味噌汁を作ってみてほしい。
素材の組み合わせ
出汁の有無
水から茹でるか、炒めてから水を入れるか
味噌の種類はどれにするか など
やり方は無数にあります。
自分が好きなやり方で
いまの自分にできるところからやってみる。
他の人のやり方や分量は参考にするけど
それを自分の答えにしないように気をつけて。
正解かどうかも気にしない。
自分にとって満点だと思うものを
まずは目指してみませんか?
それを
家族が好きだといってくれたら万々歳だし、
もっと、こうしてほしいと意見をくれたら
なるほど、この人の美味しいはそこなのねと
微調整をすればいい。
どうすればそれぞれの美味しいが近づくのか
お互いに満足できるのか
自分をゼロにして相手の基準に合わせるのでも
相手を無視して自分を主張するのでもなく
調和する方法を考えていくのが
次のステップかなと思います。

自炊が苦手、料理はストレスと感じるときは
自分の内側ではなく外側の基準に
自分を嵌めにいこうとしているのかも。
職場や気の合う友人とのお出掛けなど
その場を楽しむために
ある程度、周りにあわせることは必要だけど、
日常の中で、家庭の中で、
その小さな我慢はかならず歪を作ってしまう。
だからこそ、まずは自炊から
我慢のない、自分の基準で選ぶことを
はじめてほしいと思います。
それは、誰かに決めてもらう人生を終わらせる
小さな一歩になるからです。